国際物流や輸出入業務に携わっている方なら、「もっと手配がラクにならないか?」「アナログなやり取りを減らしたい」と思ったことがあるのではないでしょうか。
そんな中、近年注目を集めているのが「デジタルフォワーダー」です。
この記事では、デジタルフォワーダーの仕組みと従来の違い、国内外の代表例(Flexport、Shippio)の比較、導入検討時のチェックポイントを実務目線でわかりやすく解説します。
目次
✅ デジタルフォワーダーとは?
🔹 定義
デジタルフォワーダーとは、国際輸送の手配・追跡・管理をデジタルプラットフォーム上で完結できる新世代のフォワーディングサービスのことです。
従来のように電話・FAX・メールベースの煩雑なやりとりを減らし、見積から通関、追跡、書類管理まで一元化されたUIで行えるのが最大の特徴です。
✅ 従来型フォワーダーとの比較
項目 | 従来型フォワーダー | デジタルフォワーダー |
---|---|---|
手配方法 | メール・電話・FAX | ブラウザやアプリから |
見積取得 | 数日かかる | 数分〜即時 |
貨物追跡 | 手動で問い合わせ | リアルタイム追跡 |
書類管理 | 紙・PDFベース | クラウドで一元管理 |
対応時間 | 営業時間のみ | 24時間対応あり |
情報の透明性 | 担当者依存 | プラットフォームで可視化 |
✅ 代表的なデジタルフォワーダーの比較(Flexport・Shippio)
項目 | Flexport(米国) | Shippio(日本) |
---|---|---|
本社 | アメリカ・サンフランシスコ | 東京・日本 |
対応地域 | グローバル | 日本発の輸出入中心 |
プラットフォーム | 高度な自社開発SaaS | クラウド型・日本語UI |
特徴 | AIによる最適化・多言語対応 | 日本語サポート・フォワーダー業務代行 |
通関対応 | 米国内・第三国にも対応 | NVOCC登録済。通関業務連携あり |
連携機能 | API・ERP・在庫システム | SFA・基幹システム連携が強い |
ユーザー層 | 大手グローバル企業向け | 中堅~大手の製造業・EC事業者 |
✅ デジタルフォワーダー導入のメリット
✅ 1. 業務の効率化と人的ミスの削減
- 案件ごとのメール・Excel管理が不要に
- 自動通知・スケジュール共有で社内連携もスムーズ
✅ 2. 見積比較・輸送最適化がしやすい
- 複数航路・キャリアの料金を同時に比較できる
- 費用透明性が高まり、購買部門でも判断しやすい
✅ 3. 輸送状況をリアルタイムで可視化
- 遅延・通関状況・倉庫搬入日などをダッシュボードで確認
- 担当者が不在でも進捗確認ができる
✅ 導入前に検討すべきポイント
チェック項目 | 内容 |
---|---|
自社の輸送量に合っているか | 小口輸送・少量荷物にも対応しているかを確認 |
対象国・航路に対応しているか | アジア圏中心か、グローバルに対応しているか |
通関・配送まで一貫して任せられるか | 通関士連携やラストワンマイルまで対応できるか |
他システムとの連携性 | 自社の販売・会計・在庫管理とAPI連携できるか |
担当サポート体制 | 緊急時に電話・チャットで相談できるか(日本語対応) |
費用体系 | 初期費用・月額料金・利用料のバランス |
✅ よくある導入後の声
💬 良かった点
- 「毎回のやり取りが減って、1人で複数案件を並行管理できるようになった」
- 「ミスが減ったので信用状決済の遅延がなくなった」
- 「業務進捗が可視化されて、経営層への報告も簡単に」
💬 課題点
- 「細かいカスタマイズには対応してもらえないことがある」
- 「従来のやり方に慣れた現場に導入を定着させるまで時間がかかった」
✅ まとめ:選ぶなら“見える化+実行力”のあるサービスを
ポイント | Flexport | Shippio |
---|---|---|
グローバル対応 | ◎ | △ |
日本語対応 | △ | ◎ |
システム連携性 | ◎ | ◎ |
コスト透明性 | ◎ | ◎ |
サポート体制 | ◎ | ◎(特に日本市場に強い) |
📝 実務アドバイス
- 小規模な輸送でも導入メリットは大きい(LCL・サンプル輸出など)
- 社内稟議が必要な場合は「工数削減」や「見積比較」などの定量効果を添えると通りやすい
- まずは無料トライアルやデモを活用して、自社案件で試すのが最も確実な方法