〜はじめての国際取引でつまずかないために〜

貿易の話をしていると、必ず耳にするのが「FOB(エフ・オー・ビー)」という言葉です。商談や契約書、インボイスにも普通に出てくるこの「FOB」って、一体何のことなのでしょうか?

この記事では、FOBの意味と使い方を初心者向けにやさしく解説します。

FOBとは?

FOBは Free On Board の略で、日本語では「本船渡し」と訳されることが多いです。これは「商品を輸出港の船に積み込むまでの費用やリスクは売り手が負担し、それ以降は買い手が負担する」という意味です。

ポイント

FOBはあくまで「費用・リスクをどこで分けるか?」という【取引条件】の一つです。

FOB取引の模式図

工場・売り手→日本国内輸送→輸出通関→船積み
FOB-売り手負担
買い手負担:輸送→輸入通関→現地国内輸送→到着
FOB-買い手負担

具体的にどういう意味になるの?

たとえば、以下のようなケースが「FOB取引」です。

  • 商品:電化製品(100個)
  • FOB条件:FOB Yokohama(横浜本船渡し)

この場合、売り手(日本側)は商品の梱包・港まで運搬・船積み手配までを行い、船に積み込んだ時点で買い

FOBと他のインコタームズの違い

インコタームズ輸送費用保険リスク移転タイミング
FOB買い手買い手船に積み込んだ時点
CFR売り手買い手船に積み込んだ時点
CIF売り手売り手船に積み込んだ時点

※FOBは “輸出港での引き渡し”という考え方で、海上輸送(港to港)の取引に限定されます。

FOBで注意すべきこと

  • 航空便には使えません:FOBは「本船」に関係するため、飛行機での輸送には適していません。
  • 積載完了の確認:船に積まれた時点でリスクが移るため、B/L(船荷証券)や通知をしっかり確認することが重要です。
  • インボイスに必ず明記:「FOB Tokyo」や「FOB Kobe」のように、どの港かを明記しましょう。

まとめ:FOBを理解して、安心な取引を

「FOB」は貿易における基本中の基本。これを理解しておけば、契約の意味や費用配分、責任の所在がになります。はじめは難しく感じるかもしれませんが、図で理解すると意外とシンプルです。

次回は、「CIF」や「DAP」など他のインコタームズについても解説していきますので、お楽しみに!