米国Amazon(Amazon.com)のFBA(Fulfillment by Amazon)を活用して、日本から海外発送で商品を納品・販売したいと考える事業者は増加しています。巨大なEC市場への参入は魅力的ですが、アメリカ向けのFBA納品には、日本FBAとは異なる多くの注意点や制度があります。
この記事では、アメリカFBAへの海外発送に必要な書類・輸送方法・関税制度・注意点まで、2025年の最新情報をもとに徹底解説します。
目次
✅ アメリカFBAとは?日本との違いを簡単に理解しよう
アメリカFBAは、Amazon.comに出品するセラーが利用する物流代行サービスです。日本FBAと共通点はありますが、下記のような違いがあります。
項目 | アメリカFBA | 日本FBA |
---|---|---|
対象地域 | アメリカ全土+海外一部 | 日本国内 |
通貨・言語 | 米ドル・英語 | 円・日本語 |
出品審査 | カテゴリ規制が多い(許可制あり) | 比較的緩やか |
輸送・納品 | 海外からの発送が必要 | 国内便で対応可 |
関税対応 | セラー側が管理(DDP推奨) | なし(国内扱い) |
➡ アメリカ向けのFBAでは、通関・納品仕様・商品ラベル・配送条件などを自社で管理する必要がある点が大きな違いです。
🧾 アメリカFBA海外発送で必要な書類一覧
アメリカに商品を納品するには、FBA用の書類に加えて、国際輸送・通関用の書類も必要です。
書類名 | 用途・備考 |
---|---|
納品プラン(FBA Shipping Plan) | Amazon Seller Centralで作成。SKU、数量、納品先倉庫を指定 |
FBA商品ラベル(FNSKUラベル) | 各商品に貼付(Amazon指定) |
カートンラベル | 外箱に貼付。パレットの場合はパレットラベルも必要 |
Commercial Invoice(インボイス) | 商業送り状。品目、数量、価格、原産国、HSコードを記載 |
Packing List(梱包明細) | 箱ごとの内容詳細 |
貨物運送状(Air Waybill / B/L) | 航空・海上輸送で必要 |
その他(必要に応じて) | FDA登録(食品・サプリ)、FCC認証(電化製品)、MSDS(化粧品)など |
✈️ 発送方法の選び方:FBA納品向け国際輸送ルート
アメリカ向けのFBA納品では、以下の輸送方法があります。
① 小口配送(数箱~20kg程度)
- おすすめ業者:DHL / FedEx / UPSを使うなら海外物流サービス
- 特徴:スピード重視。Amazon納品先倉庫へ直送可能。
- メリット:通関・DDP(関税込込)オプションがあるため初心者向け。
② 中~大口配送(パレット・複数箱)
- 国際フォワーダーを利用:Shippio、BeeForward、Flexport など
- 特徴:航空または海上便で複数箱をまとめて送る。
- メリット:コスト効率が高い。FBA納品の実績ある業者を選ぶと◎。
③ FBA納品代行サービス
- 日本国内倉庫からFBA向けにラベル貼付・検品・発送まで一括対応。
- 例:LogiMoPro、CARGOES、Planet Express
💰 アメリカ向け関税・税金・DDP/DDUの理解
用語 | 意味 | 注意点 |
---|---|---|
DDP(Delivered Duty Paid) | 関税・輸入税を発送側が負担 | FBA納品では基本的にDDPが必須 |
DDU(Delivered Duty Unpaid) | 関税・輸入税を受取側が負担 | Amazon倉庫は受け取らない可能性大 |
HSコード | 商品分類コード | 正確なコードが必要(関税率が変動) |
関税率 | 商品により異なる | アパレル10〜20%、電化製品0〜5%など |
➡ Amazonは「未払関税の受取を拒否する」ため、DDPでの発送が原則となります。
🛃 商品別に注意すべき通関・規制要件(代表例)
商品カテゴリ | 必要な追加手続き |
---|---|
食品・サプリメント | FDA Prior Notice、施設登録(FCE/SID) |
医療機器 | FDA登録+UDIコード |
化粧品 | 成分表・MSDS(安全データシート) |
電化製品 | FCC認証書類(電波法対応) |
電池を含む製品 | UN規制に基づくパッキング要件 |
📌 FBA海外納品でよくあるトラブルと対策
トラブル | 原因 | 対策 |
---|---|---|
納品先が複数倉庫に分かれる | Amazonの自動割当 | 「倉庫統合(Inventory Placement Service)」を使う or 代行業者に一括納品を依頼 |
関税が未払いで配達拒否 | DDUで発送 | 必ずDDPで発送 |
書類不備による通関遅延 | Invoiceや成分表の記載不足 | 事前に業者とチェック体制を構築 |
✅ まとめ|アメリカFBA海外発送の成功チェックリスト
チェック項目 | 状態 |
---|---|
納品プラン作成済 | ✅ |
商品ラベル・カートンラベル貼付 | ✅ |
Commercial InvoiceとPacking List作成 | ✅ |
DDPでの配送業者選定 | ✅ |
輸出規制・米国側規制の確認 | ✅ |
納品後の返品・返送体制を用意 | ✅ |
アメリカFBA向け海外発送は、正しい準備とルール理解があれば個人でも法人でも対応可能です。
物流業者や代行サービスとの連携を上手に活用し、世界最大のEC市場であるAmazon.comでのビジネス拡大に繋げましょう。