貿易業務に関わる方にとって「本船動静の確認」は日々の業務で欠かせない作業です。コンテナの到着予定を把握し、輸出入のタイミングや配送手配を調整するためには、本船の現在位置や到着予定日時(ETA)、出港日(ETD)などの情報が重要になります。

この記事では、無料で使える本船動静の確認方法と、主要船会社・追跡ツールの特徴や使い方をわかりやすく解説します。


そもそも「本船動静」とは?

本船動静とは、特定の貨物を積載した本船(コンテナ船)の運行状況のことを指します。これには以下のような情報が含まれます。

  • 現在位置(航行中/寄港中)
  • 次の寄港地と到着予定日(ETA)
  • 出港日(ETD)
  • 遅延状況
  • スケジュールの変更履歴

これらの情報は、フォワーダー・通関業者・荷主・輸出入担当者などがスムーズに物流管理を行うために活用されます。


本船動静の確認が必要な場面とは?

本船動静の確認は以下のような場面で役立ちます。

  • 輸出入通関のタイミングを見極める
  • 倉庫や配送業者の手配時期を調整する
  • 顧客への納期回答を行う
  • 船の遅延に伴うリスケジュール対応
  • 複数便を比較して最適な航路を選定

本船動静の確認方法(無料ツール中心)

本船の動きを確認するには、主に以下の方法があります:

1. 船会社公式サイトで確認

多くの船会社は、ブッキング番号・B/L番号・コンテナ番号・船名などから現在のスケジュールや位置を検索できる機能を提供しています。

代表的な船会社サイト:

船会社名URL備考
ONE (Ocean Network Express)https://www.one-line.comB/L, Container, Booking番号で追跡可
MSC (Mediterranean Shipping Company)https://www.msc.comコンテナ追跡とスケジュール確認
CMA CGMhttps://www.cma-cgm.comリアルタイム追跡あり
Maerskhttps://www.maersk.com船の現在地やETAまで分かる
Evergreenhttps://www.evergreen-marine.comコンテナ単位で検索可能

2. 船舶追跡の専門サイトを活用

船会社に依存しない方法として、AIS(自動識別装置)を使った船のリアルタイム位置情報サービスがあります。

代表的な追跡ツール:

サービス名URL特徴
MarineTraffichttps://www.marinetraffic.com世界中の船の現在位置が見える、無料プランあり
VesselFinderhttps://www.vesselfinder.com船名入力だけで現在地・過去履歴も確認可能
ShipTrackinghttp://www.myshiptracking.com/シンプル操作で複数検索可能

※注意点:これらのサイトはリアルタイムの位置情報には強いですが、ETA/ETDなどのスケジュール情報は正確でない場合もあるため、補完的に使うのがおすすめです。


確認に使える情報(検索キー)

本船動静を検索する際に必要な情報は以下のいずれかです:

  • コンテナ番号(例:MSCU1234567)
  • ブッキング番号
  • B/L番号
  • 船名(例:ONE INTEGRITY)
  • 航路名/サービスコード

本船動静確認時の注意点

  • 港によってETAが異なる
    「日本到着」と一口に言っても、横浜・神戸・名古屋など複数の寄港地がある場合、どこにいつ着くかを確認する必要があります。
  • 更新のタイミングにラグがある
    公式サイトでも情報の更新が1日程度遅れる場合があります。重要な案件ではフォワーダーに直接確認するのが確実です。
  • ターミナル状況の影響
    船が港に到着していても、ターミナルの混雑や検疫処理によって荷降ろしが遅れるケースがあります。

まとめ

「本船動静の確認」は、貿易業務におけるスケジュール調整とトラブル防止の鍵となる情報です。無料で使える船会社サイトや船舶追跡ツールを使いこなすことで、よりスムーズな物流管理が可能になります。

特に以下の3点を押さえておきましょう:

  1. 船会社サイトと追跡サイトを併用する
  2. 検索にはB/L番号や船名を活用
  3. 大事な案件はフォワーダーとも連携して確認

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