日本からアメリカに輸出する際、「この製品のHSコードって何?」「関税率はいくら?」と悩んだことはありませんか?
実はアメリカでは、日本と同じ6桁のHSコードを基にした**HTSUS(Harmonized Tariff Schedule of the United States)**という独自の関税分類表を使っています。
この記事では、アメリカのHSコード(HTSコード)の調べ方、検索ツール、注意点、実務での活用方法まで、輸出入初心者にもわかりやすく解説します。
目次
✅ HSコードとHTSUSの違い
項目 | 内容 |
---|---|
HSコード | 世界共通の6桁商品分類コード(WCOにより制定) |
HTSUS | アメリカ独自の輸入用関税表。10桁構成。最初の6桁はHSコードと共通 |
例えば:
- 日本のHSコード:8528.72(モニター)
- アメリカのHTSコード:8528.72.64.00(より細かく分類)
HTSUSの前6桁はHSコードと一致しますが、7桁目以降が米国独自の分類です。
✅ HTSUS(米国関税分類表)の確認方法
🔍 方法①:アメリカ国際貿易委員会(USITC)のHTS検索ツールを使う
公式サイト:General Note 3 Rates of Duty を探してください
https://hts.usitc.gov/
💡 使い方手順:
- 上記URLにアクセス(スマホでも使えます)
- 検索バーに商品名(英語)またはコード番号を入力
- 例:laptop、notebook、toothbrush、plastic bagなど
- 該当する候補一覧が表示される
- 一致する分類をクリックすると、HTSコード・関税率・備考などが確認できます
✅ 表示される情報の例:
項目 | 内容 |
---|---|
HTS Code | 8544.42.20.00 |
Description | Insulated wires for voltage not exceeding 1000V |
General Duty Rate | Free (0%) |
Special Program | A (duty-free for GSP countries)、K、IL等 |
Notes | 輸入ライセンス要否、FTA対応状況など |
✅ HTSUSの構成と桁数の意味(10桁)
桁数 | 内容 | 例(ヘッドホン:8518.30.20.00) |
---|---|---|
前6桁 | HSコード(国際共通) | 8518.30 |
7〜8桁目 | 米国独自の細分類 | 20(ヘッドホン) |
9〜10桁目 | 管理目的や統計用 | 00(特定用途) |
✅ 実務でのHTSコードの使いどころ
活用場面 | 詳細 |
---|---|
輸出用インボイスへの記載 | 買い手が米国税関で通関する際に使用 |
関税・費用見積もり | 事前に関税率を調べて価格提案・利益計算に反映 |
原産地証明(C/O)やFTA(USMCA)申請時 | 条件を満たすHTS分類か確認が必要 |
FDAやEPAなどの関連規制確認 | 特定HTSコードに対してはライセンス・検査が必要なことも |
✅ 注意点・トラブルを避けるためのポイント
- 輸出元(日本)と輸入先(米国)のコードは別管理
→ 日本の9桁HSコードとアメリカのHTSUSは別物です - 通関業者(カスタムブローカー)と事前確認を
→ 米国では輸入者側が分類を最終判断する責任を負うことが多い - FTAや優遇税制を使う場合、HTSコードの該当確認が必須
→ USMCA(旧NAFTA)などはHTSコード別に要件がある - HTSUSは毎年改定される
→ 必ず最新版(USITCサイトの最新版)を確認
✅ まとめ:HTSコードを正しく調べてアメリカ輸出を成功させよう!
項目 | 要点 |
---|---|
HTSコードとは? | アメリカ輸入用のHSコード。10桁で管理 |
調べ方 | USITC公式のHTS検索ツールを活用 |
実務での用途 | 通関、関税見積もり、FTA、法令チェックなど多岐に活用 |
注意点 | 国ごとに桁数が異なる、米国では輸入者が責任を持つことが多い |
📝 実務アドバイス
- 日本側では「HSコード」、アメリカでは「HTSUSコード」と言い分けると混乱しない
- 商品の仕様書(スペックシートや成分表)があると分類が正確にできる
- 不安な場合は、現地の通関業者に事前確認を依頼するのが確実