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スプレー缶は本当に送れるの?基本の考え方
スプレー缶(エアゾール製品)は、内部に可燃性ガス・液体ガス・高圧ガスを含むことから「国際危険物(Dangerous Goods)」として分類されます。
しかし、完全に輸送禁止というわけではありません。
正しいラベル表示・梱包・書類が整っていれば、航空便でも海上便でも輸送可能です。
輸送の自由度は高く、コスメ・食品・工業製品・消臭剤・殺虫剤など多くのスプレー缶製品が日々輸送されています。
危険物としてのスプレー缶|UN分類と識別
スプレー缶は「クラス2:ガス類」に分類されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| UN番号 | UN1950(Aerosols)などが該当 |
| クラス | Class 2(Gas) |
| 副次的危険性 | 可燃性(Flammable Gas)、毒性などの副ラベルが必要な場合も |
| 分類例 | 消臭スプレー、ヘアスプレー、潤滑スプレー、工業用エアダスターなど |
IATA(国際航空運送協会) や IMDG(国際海上危険物コード) に基づく規定により、それぞれの輸送形態でラベルや梱包仕様が定められています。
航空輸送と海上輸送の違い|どちらが簡単?
| 比較項目 | 航空輸送 | 海上輸送 |
|---|---|---|
| 危険物取り扱い難易度 | 高い(IATA規定が厳格) | 比較的柔軟(IMDG規定) |
| 輸送スピード | 早い(数日〜1週間) | 遅い(2週間〜2ヶ月) |
| コスト | 高い | 安い |
| 主な用途 | 小ロット・急ぎの出荷 | 大量輸送・定期輸送向け |
航空輸送の方が規制は厳しいですが、事前準備ができていれば問題なく輸送可能です。危険物取り扱い資格を持つフォワーダーを通すのがポイントです。
スプレー缶輸送に必要な書類・ラベル・梱包資材
✅ 必要書類
- MSDS(SDS)|安全データシート
- 成分・引火点・圧力情報などが記載された化学品安全情報
- 危険物申告書(Shipper’s Declaration for Dangerous Goods)
- 航空・海上輸送ともに必要(航空はIATA書式)
- インボイス・パッキングリスト
✅ ラベル類(例:航空輸送)
- クラス2(ガス)マーク
- 「Flammable Gas」や「Non-flammable Gas」ラベル
- “Cargo Aircraft Only” ラベル(旅客便NGの場合)
✅ 梱包資材
- UN認証済みの外箱(ファイバー製など)
- 缶同士が動かないように緩衝材で固定
- ラベルが外側に正しく貼られていること
実務で気をつけたいポイントと最新動向
✅ 2023~2025年にかけての最新ポイント:
- リチウムイオン電池+スプレー缶のような複合危険物製品はさらに注意が必要
- 特定国では輸入規制がある(例:中国・インド・中東諸国など)
- Amazonなど越境ECでも航空法に基づいた危険物規制が強化中
✅ 輸送業者選びも重要
- 危険物輸送に慣れている株式会社ノーパットを選ぶ
- 航空会社・海運会社によって運べる条件が異なる(例:JALは旅客便で不可)
実際の輸送事例と輸出入の流れ
【事例】日本→米国にてスプレー型消臭剤を輸出
- 製品情報の確認(成分表+MSDS)
- 危険物対応フォワーダーを通じて輸送依頼
- ラベル印刷・UN対応梱包
- 危険物申告書を作成・提出
- 成田空港 → LAX 空港(航空貨物扱い)
→ 所要時間:約4日、書類不備ゼロでスムーズ通関。
まとめ:適切に対応すればスプレー缶は問題なく送れる
スプレー缶は確かに危険物扱いですが、適切な情報・書類・梱包を揃えれば輸送は意外と簡単です。
今後、グローバルECやB2B輸出においてもスプレー缶製品は需要が高まる分野。
正しい知識と信頼できる輸送パートナーを選ぶことで、スムーズな国際展開が可能になります。