🍵 抹茶ブームの背景|世界中が“Matcha”に夢中な理由
健康志向の高まり
抹茶は豊富な**抗酸化物質(カテキン)やアミノ酸(L-テアニン)を含み、体にやさしいスーパーフードとして世界中で注目されています。特に欧米では、コーヒーに代わる「カフェイン控えめで集中力を高める飲料」**として愛用する人が増加中です。
日本文化・和食人気の影響
日本の食文化への関心が高まり、寿司・ラーメンに続いて「抹茶」も人気が拡大。映画やSNSで和のライフスタイルが発信されることにより、“ZEN”や“WABI-SABI”の象徴としての抹茶にも注目が集まっています。
インフルエンサーとSNSの影響
InstagramやTikTokでは鮮やかな緑色と洗練されたイメージが「映える」として話題。海外セレブが抹茶を紹介することで認知度が一気に高まりました。
☺️ 海外市場における抹茶トレンド
トレンド①:抹茶ラテ・抹茶スムージーの定番化
- スターバックスやローカルカフェで定番メニューに。
- 植物性ミルクとの組み合わせ(オーツミルク × 抹茶)が人気。
トレンド②:お菓子・スイーツ分野での展開
- 抹茶チョコレート、クッキー、アイスクリームなどが大手ブランドから続々登場。
- 高級ブランド(ピエール・エルメやLadurée)も抹茶を使用した期間限定商品を発売。
トレンド③:抹茶プロテイン・サプリメントの登場
- 健康・フィットネス志向のユーザー向けに、抹茶入りのプロテインパウダーやサプリメントが販売され始めています。
🫖 売れ筋商品と人気ブランド紹介
✅ 海外で人気の抹茶関連商品
商品カテゴリ | 商品例 | 特徴 |
---|---|---|
抹茶パウダー | Encha、MatchaBar、Ippodo | オーガニック、石臼挽き、日本産にこだわりあり |
抹茶スイーツ | KitKat Matcha、抹茶チーズケーキ | 「日本限定」表示が人気、輸入需要高し |
抹茶ドリンク | Matcha Latte Mix(Ready to Drink) | お湯やミルクで簡単に溶かせるタイプが主流 |
抹茶コスメ | 抹茶フェイスマスク、抹茶石鹸 | 抗酸化作用を活かしたナチュラルスキンケア |
✈️ 抹茶輸出ビジネスのチャンスと課題
輸出ビジネスの魅力
- 市場が拡大しており、海外バイヤーからのニーズも多様化。
- 有機認証(USDA Organic、EU Organicなど)を取得した製品は特に評価が高い。
課題
- 海外の「抹茶風」製品との品質差別化。
- 保存性や風味の保持など輸送・保管時の工夫が必要。
- 国ごとの食品規制やラベル表示要件への対応。
🚀 今後の展望|“抹茶のあるライフスタイル”の浸透へ
抹茶は単なる「飲み物」や「スイーツの素材」から、ライフスタイルの一部として世界中に広がっています。今後は以下のような分野への広がりも期待されています。
- ウェルネス領域(リラックス・睡眠改善)
- ビーガン・プラントベース市場
- 高級ティー体験型店舗やサロン
📦 日本の抹茶輸出先ランキング(輸出額)
2023年(最新データ)
- アメリカ:157億円(輸出額の約54%)
- 台湾:22億円(約7.5%)
- ドイツ(EU):19億円(約7%)
- その他EU・英国(まとめて)
- 中東・アフリカ地域:新興市場として成長中
日本の抹茶輸出額は2023年に約292億円と過去最高を記録し、そのうち粉末茶(抹茶)部分が46.7%増を牽引しました
出典:merxwire.com
🏛 世界全体の抹茶輸入ランキング(出典:Volza社 2023‑24年)
このデータは世界各国の抹茶輸入量(出荷件数ベース)を示しています:
- ベトナム:全輸入量の約40%(226件)
- インドネシア:約18%(99件)
- フィリピン:約14%(77件)
(世界全体の24国への輸出が対象)出典:volza.com
※こちらは「世界から輸入している量」であり、必ずしも「日本から輸入している」だけではありませんが、日本が約71%(414件)を輸出しており、ほとんどが日本製と考えられます。
🌍 抹茶輸出の国別ビジネス展開案
― 各国の品質・規制要件と販路構築戦略 ―
🇺🇸 アメリカ(最大輸出先)
✅ 輸入規制・要件
- FDA施設登録(食品製造工場)
- 食品表示義務(英語、栄養成分表示、アレルゲン情報)
- オーガニック認証(USDA Organic)が販売に大きく影響
- 放射能検査の提出を求められるケースあり(特に新規輸出時)
✅ 販売戦略
- 健康志向/ビーガン層向けのマーケティングが有効
- 「オーガニック・ジャパニーズ抹茶」のプレミアムブランド訴求
- Amazon USA、Whole Foodsなどのオーガニック市場開拓
- SNSマーケティング(Instagram、TikTok)活用で認知拡大
🇹🇼 台湾(第2位の輸出先)
✅ 輸入規制・要件
- FDA(台湾)による食品登録義務
- 一部製品は事前検査申請が必要
- 中文ラベル貼付が義務(日本語NG)
- 日本国内での放射性物質検査結果が要求されることあり
✅ 販売戦略
- 抹茶スイーツ文化が浸透しており、現地スイーツ企業と連携可能
- 若年層へのプロモーションはYouTube・小紅書(RED)活用
- 食品展示会(FOOD TAIPEI)への出展で販路拡大
🇩🇪 ドイツ(EU域内の中心)
✅ 輸入規制・要件(EU共通)
- EU有機認証(EU Organic)
- Novel Food規制(※過度な加工がある場合に適用されることあり)
- ドイツ語表記が必要なケースが多い(成分・使用方法など)
✅ 販売戦略
- 健康志向が強く、「糖質オフ・グルテンフリー」との組み合わせが人気
- 抹茶は「医療的飲料」や「スーパーフード」として高評価
- ドラッグストア(dm、Rossmann)向けパッケージ開発
- サステナビリティ訴求(エコ包装、有機肥料など)
🇻🇳 ベトナム(輸入量世界1位)
✅ 輸入規制・要件
- Vietnam Food Administration(VFA)登録
- 成分証明書、原産地証明書の提出義務
- 現地語(ベトナム語)表記が必要
✅ 販売戦略
- 若年層中心に「抹茶フレーバー商品」が人気(ミルクティー、チョコレート等)
- 飲食店・カフェチェーン(Highlands Coffee、Phúc Long等)とのコラボ提案
- OEM・小ロット生産受託提案により中小食品会社にアプローチ可能
🇦🇪 中東市場(UAE・サウジアラビア)
✅ 輸入規制・要件
- ハラール認証が強く求められる
- ラベル表示:アラビア語+英語併記
- UAE:Dubai Municipalityへの商品登録が必要
✅ 販売戦略
- 「ノンカフェイン・デカフェ抹茶」などが女性層に人気
- 富裕層向け:高級路線(ギフト・セット)商品展開
- ハラール見込み客へのPR(展示会:Gulfoodなど)
🧭 共通施策:ブランド・物流・販促面での強化策
📌 ブランド構築
- “Made in Japan”、“Kyoto Matcha”などの地域名+高品質訴求
- 英語・中文・ベトナム語など多言語パッケージ設計
📌 物流と保管対策
- 抹茶は光・酸素・温度に弱いため、窒素充填包装+定温コンテナ輸送を標準化
- 現地倉庫を活用した小口配送や現地EC倉庫連携(例:Shopee、Amazon FBA)
📌 販売チャネル展開
まとめ|世界で広がる“Matcha Economy”に注目
抹茶は今や日本だけの文化ではなく、世界中で愛されるグローバルプロダクトとなりました。今後さらに市場は拡大が予想され、高品質・本物の抹茶を求める声も強まるでしょう。
これから抹茶ビジネスを検討する方や、トレンドに敏感な消費者にとって、「抹茶」はまだまだ伸びしろのあるキーワードです。
抹茶は国によって需要の形・販売先・法規制が大きく異なるため、各国に適した「商品企画+輸出管理+販路戦略」の三位一体での設計が成功のカギです。